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2021.4.12 空間演出 書籍紹介 アロマ検定

香りの科学 香りの初心者から上級者までが学べる一冊 匂いの正体からその効能まで 



皆さんはどんなきっかけで、アロマテラピーという業界に興味を持ちましたか?

私は、どちらかというと精神的な落ち着きや、情緒や感情に影響するので興味を持ちました。

具体的には、香水の香りを嗅ぐとテンションが上がる気がする、

アロマの香りを嗅ぐと調子のよい時を思い出せたり、記憶が蘇る(プルースト効果)感じがしたのがきっかけです。

一方で、香りというのは、目には見えないけど、
化学で表現できる実体があるものです。

高校時代から化学が大の苦手でした。

そもそもアルファベット1文字のHやOの組み合わせが

水素や酸素や水に変わる、というのが、実際にイメージが付かないんです・・焦

結局、化学を避けるように文系を選び学ばず嫌いのまま大人になりました。

香りを学ぶのに、避けては通れない化学

AEAJアロマテラピーインストラクターになる時には、
精油の成分の科学分子をある程度覚える必要があります。

実際に、香りの構造を見ると、あ、これは甘い感じの構造だな、とか

これは危険、刺激が強い仲間だな、とかが分子構造だけでもわかってくるようになります。

しかし、丸暗記的な学習方法なので、応用力がつきません。

そして、しばらく勉強しないと忘れます・・

アロマテラピーの講師自身としてもこれではまずいし、
生徒さんにも程よいテキストは何かないか?と探したところ、
今から3年前に、この本に出会いました。

香りの科学の著者紹介

著者は、平山令明(ひらやまのりあき)先生。

東工大の大学院卒、ロンドン大学博士研究員、協和醗酵工業(株)東京研究所主任研究員、
東海大学医学部教授、など様々を経て東海大学先進生命科学研究所教授です。

協和醗酵工業は、現在の協和キリン株式会社で、バイオや創薬など最先端の技術を生かす民間企業。

研究所と民間の両方を渡り歩いてきた方だからか、
実用的な面も盛り込んであるし、本当に読みやすい。

香りの科学構成 序章(1〜5章)

1〜4章は、どちらかというとアロマや香りの導入部分。

人間は何種類の香りをかぎ分けられるのか、など
明日から小ネタで話ができそうな面白い切り口で説明が進みます。

また、当店でもオリジナルフレグランスサービスを提供していますが、

香りをどうやってブレンドするか、表現するかの手法の事例を紹介していて

比較的わかりやすい感じです。

そして、いよいよ第5章から少し化学的になってきます。

ガスクロマトグラフィーの紹介から始まり、

香りの成分をどうやって人類は発見できたのか、

いかに成分分析を行うか、つまり、香りの設計図を表すかの序章が始まります。

香りの分子構造と測定 (6〜9章)


6章は、官能基と分子の基本が説明されます。

さて、この基本と思わしき6章から、化学が大の苦手な私にとっては

一瞬高校の授業を思い出しました。

と言っても、全然理解が進まず、1ページをめくるのに20分ぐらい要しました(笑)

高校化学を理解している人はとてもスムーズなはずですが、

ここはゆっくり読みましょう。

もしも、、、化学が全くわからん!!という場合は、少し手間がかかりますが、化学の入門本をお勧めします。


これ以上、超わかりやすい本は無いのでは?と思うくらい優しいです。
キャラクターも可愛い・・

そして、いよいよ7〜9章!

6章の基礎を踏まえて、この香りの分子を『測る』!

分子構造を見れば、その重さが分かるので、
例えばウッディーな香りは重たいのでシトラス系と混ぜるとバランスが良い、とか使えそうです。

そして、面白いのは
ペパーミントや、ムスクを合成する際の成分を解明します。
他にもジャスミン、バラ、すずらんなど、天然精油ではなかなか採取しづらいものも分析されています。

好みの香りを化学的に分析した上で、合成すれば、理論上は
どんな香りでも空間演出を行えそうだな、と期待が持てます。

香り実用性と空間演出(10〜11章、あとがき、補足説明)

そして、10章。

今度は、ようやく実用性に入ります。

・香りで認知症が予防できるのか、
・香りでリラックス
・香りで老化予防になるのか

など、ホットなテーマを科学的な切り口で説明があります。

一方で大切な香料の毒性という守りの知識もしっかり網羅されているので安心です。

11章では、それらの香料をどうやってブレンドすれば空間演出に生かせるかで終わります。

あとがき、P250より

「良い香りを私達のQOL向上に上手に活用するためには、私達が「香り」という実態について最低限の科学的な知識を持つことが求められいます。」

平山先生のおっしゃるように、この最低限の知識って本当に大切だと思います。

香りは自分以外にも影響を与えやすい物質です。

香りの一方的な押し付けにならないように、そして香りのリスクも承知した上で香りを提供できるようにしなければいけないです。

香りを楽しむには、国家資格も何も現在はいりませんが、

香りによって人生が彩られる方もいたり、逆に弊害を被る方がいるのも事実。

アロマや香りに携わる以上は、まずは知識と情報を得ることが、最低限のマナーなのかもしれません。

この本の面白いのが、”おわりに”という巻末の文が終わった後に、さらに”補足説明”が約20ページ到来します(笑)

ここでは、香りの分子を分析するあらゆる手法が簡潔に紹介されているので、非常に参考になります。

アロマテラピーの形式的な問題集やテキストを読んで暗記に疲れた時に、

ぜひ1度これを読んでみると、違った視点で深堀りできると思います。

誰にとって良い香りか、原点にも立ち返られる
を考えられるきっかけにもなるそんな本でした。



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